Plimption PlimPad P2 、AI Androidタブレットです。
近年、AI(人工知能)の進化は目覚ましく、私たちの生活に大きな変化をもたらしています。
OpenAIが数年前に発表した初代ChatGPTを皮切りに、AI技術は急速に進化し、様々な分野で活用され、進化の勢いは留まることを知らず、また新たな進化を見せ始めているのはニュース等で見聞きされている方も多いことでしょう。
AIはクラウドサービスを通じて利用されることが一般的でしたが、最近ではPC・スマートフォン・タブレットなどの端末上で直接AIを動作させる「エッジAI」が注目されています。
ただ、エッジAIを実現するためには、高性能なGPU(画像処理装置)やNPU(AI処理に特化したプロセッサ)が不可欠です。そのため、Microsoftの「Copilot+PC」のように、一部のデバイスでは既にエッジAIが搭載されていますが、本格的な普及にはハードウェアの進化が不可欠と考えられていました。
しかし、技術の進歩は予想を遥かに超えるスピードで進んでおり、エントリー~ミドルレンジ向けでもNPUを含むSoCを搭載したAIタブレットが登場してきました。実装含めてあっという間で、驚きを隠せません。
エッジAIは、クラウドベースのAIと並走しながら、私たちがこれまでSF映画でしか見たことのない世界を現実のものにする可能性を秘めています。そんな、AIタブレットが私たちの生活をどのように変えてくれるのか、ワクワクしませんか?
まだSF映画の世界には及ばないまでも、エッジデバイス向けのNPUを使った様々なAIによる便利機能を搭載しつつもコンパクトに収まり、未来への期待感を抱かされる本製品をご紹介。
本製品の特徴は以下の通り。
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AI技術を活用したビデオの最適化(アップスケール)などの便利機能を搭載
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広視野角、高輝度ディスプレイによる優れた映像体験
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8GB+仮想16GB(※)で合計24GBの大容量メモリ空間を活かした高速処理
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7,500mAhの大容量バッテリー搭載により長時間駆動を実現
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厚さ8.5mm、重さ450gの超軽量・コンパクト設計で持ち運びも楽々
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ネジ固定構造による高い耐衝撃性
※Amazon等の製品説明では8GB+12GBの合計20GBとの記載がありますが、実際の製品では16GB分の拡張が選択できることを確認。
【付属品】
本製品の付属品は以下の通り。特段特筆する点はなさそうです。
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製品本体
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スロットピン
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ACアダプタ
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充電用USBケーブル
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取扱説明書
【本体回り】
まず、本体正面です。
中央上部のベゼル部分にカメラがあるオーソドックスなタイプのディスプレイです。
表面には光沢があるため、ディスプレイの非点灯時にはこの写真のように周囲が映り込みやすくなっています。
第一印象としては、10.1インチという比較的小さめのサイズなだけあって、パッと手に取って扱いやすい印象を受けました。
筆者は普段11インチ超えのタブレットを使っているのですが、動画を見る時は良いものの、両開きスタイルで読書をする時には常に比較的目から近い距離で手に持った状態になるため、ちょっと大きすぎるのと、やや重い、というのが気になっていました。
しかし、こちらの製品であれば大きさもちょうど良く、非常に軽いため、動画鑑賞もするけど読書の方が多い、という方には非常に良さそうな印象です。
次に、短辺側の両側面です。
両方の側面に共通して見える小さな複数の穴はスピーカ部になっており、本製品を横に置いた時にもステレオで聞き取りやすいサウンドが楽しめます。
他の製品によっては、長辺側の側面(製品を横向けに置いた時に下側にくる側面)の両端にスピーカを搭載しているものもあるのですが、ベッドにタブレットをそのまま立てかけるような使い方をすると、どうしても音が籠ってしまうという欠点があります。
その点、本製品であればその心配はなさそうなのも良いポイントです。
なお、片方の側面中央には充電用のUSB Type-Cポートがあります。
次に、長辺側の両側面です。
片側の側面には特に何もありません。こちらは通常横置きにした時には下側にくる側面のため、こちらの方が都合が良く、スピーカの件と同様に利用シーンをよく考えて設計されている印象を受けます。
もう一方の側面は左側にメモリスロット、右側に電源ボタンと音量調節ボタンがあります。
中央にも切り欠きと穴のような箇所が見えますが、特に何らかの機能上のものではなく、デザイン上、もしくは接合の都合上のものではないかと推測しています。(※)
※本製品のように比較的安価なグレードのタブレットでは、内部の接合にいわゆる「粘着固定式」が採用されることが多いのですが、本製品は精密なネジ固定採用と謳われている点からも、その影響である可能性が考えられます。
次に、本体背面です。
金属調で光を反射してしまうため、写真では色が少し分かりにくいのですが、全体的に紫がかっています。
本体カラーを言葉で表現するのであれば、「メタリックパープル」といったところでしょうか。
角度によって完全なシルバー調にも見えたりするため、そういった意味でもオシャレに楽しめる感じがします。
「高級感」とまではいかないまでも、明らかに「プラスチッキー」な安っぽい印象は受けません。
なお、3眼や4眼カメラを搭載する製品も多い中、本製品のカメラは敢えての単眼で、かつフロントカメラと同様に5メガピクセルのものが採用されています。
まさにオマケ、といった扱いなのか潔く「削るところは削る」、という設計思想がにじみ出ている気がします。
正直なところ、タブレットで写真を撮影するシーンはほぼゼロに等しいですし、何なら余計な裏側の出っ張りも失くせるのでインカメラだけで良いのではと思ったりします。
その削った分の費用で搭載メモリ容量を増やしたり・・・といったことをして貰った方が遥かに嬉しいですね。
次に、ACアダプタです。
本製品には小型のケーブル分離式のものが付属しています。
出力表記を見ると、5V/2.0A/10.0Wのようです。
次に、充電用USBケーブルです。
いわゆる、Type-AとType-Cの変換型になっています。
付属品のケーブルとしては珍しく、長さが1.8mあるため、ベッド周り等でもケーブルが取り回しやすいのが地味に嬉しいポイントです。
次に、スロットピンです。
本製品は4Gや5Gなどの携帯電話網に接続する機能は内蔵しておらず、microSDカードによる容量の増設にのみ対応しています。
本体のストレージ容量は128GBですが、microSDにより最大1TBまで増設可能とのこと。
最後に、取扱説明書です。
本製品には、英日表記のものが付属していました。
あまりの珍しさと親切さで驚いたのは、Androidの基本操作であるがゆえに、説明書から省略されがちな電源関連などの基本操作についてもカラーで説明が書かれていることです。
個人的にはこれがあるだけでプレゼント向けに推せる製品になるかなと思います。
ただ、せっかくこれだけ親切な説明がある割には、本製品の売りであるはずのAI関連機能については一切記載されていないのが気になりました。
【使用感】
はじめに、電源を入れたところです。
メーカであるPlimptonのロゴが表示されて数秒待ったのち、初期設定のウイザードが開始されます。
セットアップウイザードが表示されたところです。
ウイザードはAndroid標準のもののようですので、特段迷うことはないと思います。
初期状態では言語設定は英語の状態ですが、この画面で日本語を選択することで以降の設定は全て日本語で行うことができます。
次に、初期設定が終わってホーム画面が表示されたところです。
Google純正の標準アプリが中心の中、キッズスペースがあるのは少し珍しく、こちらのメーカがキッズ向けのタブレットを多数リリースされていることと関係があるかもしれません。
続いて、ドロワーを開いて初期インストールされているアプリ一覧も見てみましたが、ほぼ「ピュアAndroid」と言って良いと思います。
余計なアプリがたくさん入っていたりすることが無いのは、海外製の良いところかなと思います。
次に、この手の端末を買った時のお決まりであるソフトウェアアップデートで最新化を・・・と思いましたが、出荷時点で最新のようでした。
次に、拡張メモリの設定を確認することにしました。
製品によってメモリ拡張の設定がストレージ設定のところにあるなど、統一性がないのはAndroidの分かりにくいところではありますが、本製品の場合はシステムメニューの中に「メモリ拡張」という形で項目が分かりやすく、容易に発見することができました。
ただ、こちらも珍しく初期状態では「拡張メモリ無し」の状態でした。
本製品では6.0G、8.0G、10.0G、16.0Gから拡張サイズを選ぶことができるようですので、
搭載メモリ8.0GBとの合算で最大24GBまで拡張が可能ということになります。
拡張設定後は再起動が必要になりますが、再起動後には無事16GB分拡張できていることが確認できました。
次に、GeekBenchでCPUとGPUのベンチマークを取ってみました。
結果はコアの内容からも予想通りで、まぁこんなところかなと。
当然普段使いのスマホ等のようなスコアには遠く及びませんが、とは言え十分実用的な運用が可能です。
裏を返せば、スマホのスペックは普段ほとんど使い切れていない、と解釈するのが正しいように思います。
次に、ここからはスタンドに乗せつつ、Google ChromeでYahoo Japanのトップページを表示してみたところです。
本製品の解像度は1280×800と、いわゆるWXGAと呼ばれるものです。
フルHDに満たないため、こういったブラウジングなどの際の一画面の表示領域はやや狭く感じられるかもしれません。
次にYouTubeで動画を再生したところです。
YouTubeのサムネイルは、本製品で見ると少し滲んで潰れたように見えてしまうのですが、それも動画を再生するまでのこと。
このように、元々10.1インチと画面サイズが小さめのタブレットであることも相まって、Webサイトの表示時に比べると、動画再生時は解像度の低さはほぼ気になりません。(感じ方に個人差はあると思います。)
むしろ、動画再生がメインの場合はこれくらいの方が持ち運びもしやすく、ベッド等で寝転がりながら見るのにもちょうど良いと思います。
次に、Netflixで動画を再生しているところです。
メニュー画面は解像度の低さで若干見づらさはあるのですが、こちらも一度動画の再生が始まってしまえば気にならなくなりました。
次に、ゲーム関連を試してみることにしました。
写真はダメ元でドラゴンクエストビルダーズのアプリをインストールして起動したところです。
一応動きますが、やはりまともなプレイは難しそうでした。
3Dゲームもタブレットでやりたい、という方は、素直にSnapdragonなどが搭載された上位スペックのモデルを購入された方が良さそうです。
次に、ローカルで3Dゲームは難しくても、クラウドゲーミングならば!ということで、Xbox Cloud Gamingに接続してみることにしました。
サブスク料金さえ払っていれば、毎月多数のXboxゲームが「Xbox本体もゲームソフトも購入不要でプレイできる」という優れものです。(最近は一部の所有ゲームをプレイできる機能も実装されました)
そのため、このようにゲームをするにあたっては本製品とBluetooth接続のコントローラーのみがあればよく、配線などもいらずスッキリしています。
こちらは、Xbox Cloud GamingでSniperやアサシンクリードをプレイしているところです。
ほら御覧のように、クラウドなので快適に動きました・・・と、書きたかったのですが、いずれの画面も右上に赤い丸印が出ているのが見てとっていただけるかと思います。
こちらはデコードパフォーマンスが十分ではない、という旨の警告で、一時的なものかとも思いましたが、一向に消えることもなく残り続けていました。
実際のプレイ感覚はどうかと言えば、もちろんローカルで3Dゲームを起動するのに比べたら比較にならないほど滑らかに動いているのですが、それでも「引っ掛かり」というか、明らかにコントローラーとゲーム画面上の操作にギャップがあり、ゲームをやるにはストレスが溜まってしまいそうでした。
UNISOC T606クラスのタブレットでもXbox Cloud Gamingは快適に動いていただけに、それよりベンチマークスコアは良いとされるA733を搭載した本機がこのような結果になったのは意外な結果でした。
次に、こちらの2枚は昨年インディーズゲーム界隈を騒がせたBalatroとダンジョンクロウラーです。
どちらのゲームも、やりはじめると「時間が溶ける」ことで有名ですね。
このような2Dのゲームは問題なく動作しますので、ゲームはやる・・・けどこういったゲームが中心、という方には十分なスペックです。
次に、Kindleアプリで電子書籍を開いたところです。
やや両端は切れてしまうのですが、漫画の見開き表示でも十分な解像度です。
何より、本製品は軽くてコンパクトなので長時間持っていても疲れにくいのが良いですね。
電子書籍の場合は、動画と異なり本体を手でホールドしたままになることが多いため、疲れにくいことは大きなポイントです。
最後に、A733を搭載した製品ならではのAIを使った機能について見ていくことにしました。
本製品には、いくつかのAI機能が搭載されていますが、そのうち「姿勢チェック」と「ハンドジェスチャ」を試していきます。
これらの機能は、いずれも標準では無効化されているようで、システムメニューの「AW知能認識」という機能を有効化することで使えるようになるようです。
「姿勢チェック」は、その名の通りタブレットの前に座るユーザの姿勢をチェックし、姿勢が悪いと注意を促してくれる機能です。
試しに悪い姿勢で動画を見ていると、このように画面中央上にポップアップが表示され、「Head Tilted is bad for your eyes」(意訳:姿勢が悪いと目が悪くなるよ)と英語のメッセージが書かれていました。
うーん・・・機能としては面白いのですが、表示される警告が今一つ目を引かない(警告感が薄い)のと、メッセージが日本語化されていないのが残念です。
最後に、ジェスチャ機能です。
これは、タブレットの前に手をかざして振り下ろすと、タブレット自身に直接触れていなくても自動でスクロールしてくれる機能のようです。
ちょっと写真では分かりにくいのですが、ちょうどGoogleの検索バーの中央あたりに手の平のマークが表示されているのが分かるでしょうか?
これが、本製品のAIが、ユーザが手をかざしたことを検知したことを示すサインになっているようです。
このサインが表示された状態で、ユーザが手を振り下ろすと、製品に直接触れなくても表示をスクロールしてくれる、というわけです。
何度か試してみたのですが、私自身との相性が悪いのか、20回くらい試行してやっと1回思い通りにスクロールしてくれる、という感じでした。
正直精度はまだまだ、といった印象で、これからチューニングされてブラッシュアップしてくれるのだろうと期待します。
ただ、よくよく考えてみると、確かに離れたところからでも操作できるのは「機能としては面白い」のですが、10インチしかない小さなタブレットを、果たして遠くからスクロールできたところで、「表示されている内容がよく見えない」可能性の方が高く、ブラッシュアップされたとしても使わない可能性の方が高そうだなぁと思ってしましました。
とは言え、「だからAIダメじゃん」、ということではなく、先ほど紹介した姿勢検知機能をはじめ、今回紹介できなかったAI文字抽出や、動画のアップスケーリングなどはブラッシュアップされていけば十分実用的な機能になると思いますし、色々な用途での活用が期待されるAIが、より実用的な機能と共に発展していくことで、また我々がワクワクするようなガジェットへと進化してくるかもしれません。
第一弾として、そんな期待感を抱かせてくれるAI機能でした。
日常的にメイン機能とまではいかないまでも、縁の下の力持ち感でAI活用できるような機能実装が進んでいくんじゃないかなとは思います。知らないうちに快適になっていた。実はAIが活躍してました!みたいな。
【使用しての感想・その他】
本製品のメーカであるPlimptonと言えば、やはり「キッズ向けタブレットメーカ」とか、「カーナビやデジタルフォトフレームなどのカスタム製品メーカ」なイメージが強いのですが、本製品ではそういったメーカならではの特色とはまた異なり、一般向けのエントリー製品という領域に製品を出されてきたのは少し意外性がありました。
A733というNPUも搭載した新しいSoCが出てきたことを機に、一般路線にも本腰を入れて攻めこんでいこう、という意思の表れかもしれません。
他社製品に比べて、製品として傑出しているところがあるかという意味では、専用メモリが8GB分しっかり搭載されている、ということ以外に正直ほとんど無いのですが、だからといって決して不満点はなく、よくまとまった製品だと思います。
この価格帯の製品は、そもそもこの価格で「日常使いで必要かつ無難な機能が一通り揃う」ことが素晴らしいのであって、各メーカが大きな独自性を出したり差別化を図れたりするほどの価格帯ではないため、これで良いのだと思います。
個人的には、ボディの光沢のある紫色は好きな色ですし、サイズ感や重量感もコンパクトなため、ベッド脇に置いておく専用のタブレットになりそうな予感がします。
願うらくは、Copilot+PCに比べれば僅か10分の1以下の3TOPSの性能とは言え、せっかくSoCにNPUが搭載されてきているため、何かタブレットがより便利になる面白い機能が追加・ブラッシュアップされていくといいなと思うばかりです。
OSも、最新のAndroid 15が搭載されており、そろそろUNISOC T606系の製品から買い替えを、と考えておられる方にはちょうど良い製品だと思います。
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