Mobvoi TicWatch Atlas 、Google WearOS搭載スマートウォッチです。
日本の秋の風物詩と言えば自然や食べ物、イベントなどでそれぞれ色々とありますが、例えば「夏」と聞いて連想する海や川とは対照的に、今のような「秋」という季節には山を連想することが多いのではないでしょうか。
山という言葉からは海や川ほどの派手さは感じられないかもしれませんが、実際にはキャンプ、紅葉狩り、キノコ狩り、アスレチックなど、山にも登山だけではなく様々なアクティビティがあり、想像しただけで楽しいものです。
ただ、やはり秋のアクティビティも夏のアクティビティと共通して言えるのは「普段から慣れている環境とは少し異なる環境で行うものである」ということです。普段と異なる環境は、新鮮さを以って気分を大きく変えてくれる非常に良いものではありますが、「不測の事態」が発生する確率も必然的に上がってしまうことでしょう。
例えば、山道での転倒なども発生しやすい不測の事態の1つです。そんな不測の事態への備えとして、転倒時の自動緊急SOS機能なども追加され、前モデルよりさらに一段登山用としてもチョイスしやすくなった本製品をご紹介。
本製品の特徴は以下の通り。
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サンドブラスト加工されたスチールやサファイヤクリスタルディスプレイを採用しMIL規格にも対応するブランド史上最高の堅牢性
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自動的に事前に指定した相手へ位置情報の共有とSOS発信を実施する転倒検出機能
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大容量バッテリーと超低消費電力の二層式ディスプレイで3日程度動作可能なロングライフ設計
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自動的にアクティビティを検知して記録を行うAIアルゴリズムが進化したTicMotionを搭載
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山登り目的での利用に便利なコンパス・気圧計・高度計機能を搭載
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スポーツ中に自分が最も活動的であった場所を表示してくれるヒートマップ機能
【付属品】
本製品の付属品は以下の通り。
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製品本体
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充電用USBケーブル
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Product Safety Information
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クイックガイド
【本体回り】
まず、本体正面です。
開封直後の時点ではこのように保護シート兼簡易説明のシートがディスプレイ部分に貼られています。
次に、シールを剥がしたところです。
ディスプレイ周りは、やや光沢のある黒のフレームが採用されており、高級感があります。
また、本体右上には物理ボタンが、右横中央にはリューズ兼物理ボタンがあります。
写真からも見てとれますが、このボタンの周辺部分にのみオレンジ色が使われているため、黒地にオレンジは単純に目を引きますし、オシャレ感も増して見えます。あまり類する配色を見かけないデザインなので、この見た目だけで結構気になってしまう方も多いのではないでしょうか。
次に、本体正面向かって右側面です。
こうして見ると、ボタンの頭の部分にまで加工が施されていることが分かり、さらに高級感を高めてくれているように感じられます。
次に、本体正面向かって左側面です。
こちら側にはインターフェイス類含め特に何もないのですが、それでも良い意味で時計らしいデザイン性のある加工が施されています。
次に、本体正面向かって上下側面です。
中央部分にしっかりとベルトが取り付けられています。また、上下どちらから見ても、リューズ部分のオレンジがワンポイントのように見えて良い感じです。
ベルトはもちろんこのように交換可能な機構になっていますので、好きなベルトに付け替えてちょっと違った気分を楽しむことも可能です。
なお、こうして見るとわかりやすいですが、右側面の上側のボタンは「ネジの頭」のような形をしていて、このデザインもあまり他では見かけないユニークなもののように感じられます。
次に本体背面です。
中央にはメーカ名であるMOBVOIとTICWATCHという文字が入った大きなセンサーがあり、左側に4つの円形が見えるのは充電器用の接点です。この「ぱっと見た感じはゴツイけどゴツすぎない」ところがまた所有欲をくすぐります。
次に、前面と背面のそれぞれ本体全景です。
こうして見ると、TicWatch Pro 5のようなシンプルなバンドではなく、デザイン性の高いバンドが採用されていることが分かります。
次に、USB充電器です。
いわゆるUSB Type-Aと専用形状の変換型ですが、TicWatch Pro 5などに付属するものと同じもののようです。
次に、クイックガイドです。
多言語記載式ですが、日本語版もしっかりと用意されていて、メーカさんが日本市場も意識してくれていることが伝わってきます。
もちろん、このガイドの日本語表記がなくても本体やアプリは日本語表示に対応していますので、使えないということはないのですが、仮にどなたかにプレゼントするものだとしたら、こういった配慮がされている製品の方が安心できます。
最後に、Product Safety Information、日本語に訳すとしたら「安全のしおり」とか「安全の手引き」などでしょうか。
写真では伝わりにくいのですが、割と厚みがあります。
あまり他社のスマートウォッチでは紙媒体でここまでのものが付いていることは少なく、ここもメーカさんのこだわりを感じるところであり、本製品が「精密機器」であることを改めて認識させられます。
【使用感】
まず、こちらが本体の電源を入れてスマートフォンとペアリングを完了させたところです。
TicWatchシリーズはWear OSを採用しており、iPhoneとはペアリングできませんが、筆者はPixel FoldユーザですのでPixel Foldとペアリングさせました。
このウォッチフェイスが本製品のデフォルトのもののようですが、オレンジと黒と白で構成されており、本体右側のオレンジのワンポイントとも調和が取れており、なおかつなんとなく岩をイメージしたのか、山登りっぽいデザインで良い感じです。
製品自体では色んな情報が取れますし、ウォッチフェイスを変えれば画面を遷移させることなく様々な情報を確認可能ですが、これくらいシンプルな方がスッキリしていて、文字も大きくて見やすいため、そういった意味でも登山時にちょうど良いかもしれません。
次に、ウォッチフェイスが表示されている状態で、ディスプレイの上下左右からスワイプしてみることにしました。
こちらがディスプレイの上から下に向かってスワイプしたところです。
様々な機能を一発で呼び出せるショートカットアイコン群が用意されています。
家にいながら、「あれ?スマホどこに置いたっけ?」といった時にも、本製品からスマホの音を鳴らして確認できるボタンなども配備されています。
次に、ディスプレイの下から上に向かってスワイプしたところです。
こちらはスマホの通知が一覧で確認できるようになっています。LINEアプリを追加で本製品に入れておくことで、LINEに届いた新着メッセージもこの一覧からタップして直接確認することなども可能です。
次に、ディスプレイを左から右に向かってスワイプしたところです。
左右のスワイプは「貫通型」になっていて、複数の画面をスワイプするごとに遷移していき、最終的にウォッチフェイスに戻ってくる形です。
つまり、ウォッチフェイス画面でディスプレイを右から左に向かってスワイプした時は逆順に遷移する形になります。
標準でたくさんの画面が表示可能なのですが、その中からいくつかをご紹介。
この画面はタイマー機能で、例えば「05」のボタンをワンタップすると、5分のタイマーが起動します。
「新規」ボタンをタップすると、ここに選択肢がないような33分などの中途半端な時間であっても自分でタイマーを設定することができます。
次に、こちらは血中酸素濃度の遷移を示しています。
視覚的に表示してくれるため、1日に何度かチェックしていれば、前日に比べて急激な変化があった時などにも気づきやすそうです。
次に、こちらは心拍数の推移を示しています。
運動の前後はもちろん、お酒を飲んだ後などにも自分の心拍の状態を客観的に把握するのに便利です。
このほかにも、標準状態では「日の出・日の入りの時間」や、「アラームの設定」、「ストレス値」、「前夜の睡眠時間」、「エクササイズリング」などの画面がスワイプするごとに表示されます。
次に、ディスプレイ右上のボタンを押したところです。
このボタンを短く一度押すと、このように最近使ったアプリの一覧が表示されます。
頻繁に使うものは常にここに表示されていることになりますので、非常に便利です。
そのほかにも、短く二度押すとGoogle Payが起動し、長押しすると電源OFFや再起動、緊急通報のボタンが表示されます。
次に、ディスプレイ中央横のリューズ部分を短く一度押したところです。
このボタンではアプリ一覧が起動し、本製品にインストールされている全てのアプリを参照したり、起動したりすることができます。
続いて、アプリ一覧をスクロールしていくと、Mobvoiオリジナルアプリのほか、TicWatch専用のアプリなどもプリインストールされていました。
次に、ウォーキング中に本製品を試してみることにしました。
TicExerciseアプリを起動して、「室外ウォーク」を選択します。
GPSの測位がはじまると、中央部分が黄色の表示になり、測位が終わると緑の表示になります。
それほど上空を遮るような建物がないような場所ではあったのですが、測位完了まで10秒くらいかかりました。待てないほどではないですが、若干長いな、という印象ではあります。
次に、開始ボタンを押してウォーキングをはじめるとこのような画面に遷移します。
この辺りもほぼTicWatch Pro 5と変わりません。
続いて、ウォーキング中の本製品の表示ですが、通常の利用時と同様に、意図的にディスプレイをタップしない限りは、AMOLEDの表示から、こちらの消費電力の小さいFSTN側のディスプレイで表示されます。
ここは最近のTicWatchシリーズの強みの部分で、AMOLEDとFSTNの二層式ディスプレイにより、Wear OS搭載機でありながら3日程度のロングバッテリーを実現する大きな源になっています。
個人的にとても気に入っているのは、TicWatch Pro 5でもそうでしたがFSTN側で表示しつつも、体の負荷状態に応じてバックライトの色を変えてくれるところです。
1枚目の写真は歩き始めでしたので特に通常時と変わらず、水色のバックライトでしたが、40分経過して、ある程度心拍数も上がり始めた頃には2枚目の写真のように黄色に切り替わっていました。
なお、太陽光下でもしっかりと見やすい点もポイントが高いです。
ちなみに、こちらはエクササイズ中にディスプレイをタップして表示をFSTN側からAMOLED側に戻したところです。
1枚目では歩数や消費カロリー、2枚目ではペースに関する情報が確認できました。
このように、AMOLED側での表示の方がFSTNでの表示時に比べてより詳細な情報を参照することが可能です。ただ、FSTNの表示が優秀なこともあり、筆者の使い方では、あまりわざわざAMOLED側に戻してエクササイズ中に確認する、ということは基本的にありませんでした。
ただ、このように高度計機能による高度の情報あども参照できますので、登山の時などにはAMOLED側の表示に戻して確認したくなるかもしれません。
このほか、GPSの測位情報もAMOLED側であれば確認可能です。
実際にウォーキングで歩いたコースの軌跡が正確にプロットされていました。
次に、エクササイズを終了してみることにしました。
エクササイズの一時停止や終了は、AMOLED側の表示に戻した後、ディスプレイの左側から右側に向かってスワイプすることで、このようなボタンが表示されます。
右側の緑のボタンをタップするとエクササイズを一時停止、左側の赤のボタンをタップするとエクササイズを終了することができますので、今回は赤のボタンをタップしました。
すると、このように一般的なスマートウォッチと同様にスタッツを確認することができます。
スタッツには、距離やラップ数、消費カロリーなど、様々な項目があるため、スクロールしながら確認していきます。
続いて、こちらはペースの情報が表示されおり、総時間単位ではなく、距離当たりのタイムを指標にエクササイズを行うような際には非常に便利です。
続いて、こちらでは速度や歩数などが表示されています。
この項目は時間当たりの距離ベースでエクササイズを行う場合には非常に参考になると思います。km当たりの時間が分かる「ペース」と1時間当たりの距離が分かる「速度」の両方が確認できるのは良いですね。なんとなく、昔小学校で習った「速さかける時間分の距離」(はじき)の公式を思い出しました。
このほか、標高に関する情報や、全体のエクササイズ時間に対する運動強度の割合なども確認が可能です。
基本的に十分すぎるほどの情報が把握できるのですが、敢えて残念な点を挙げるとすれば、視覚的に表示されるのは最後の運動強度の割合部分のみでした。
その他の項目も、もう少し推移をグラフで表示するなど、視覚的に把握できるようになれば、より分かりやすいと思います。
最後に、アプリの表示を少し見ていきます。
本製品のスマホ側での管理は、他のTicWatchシリーズと同様にAndroid用の「Mobvoi Health」というアプリ上で行います。
筆者は既に毎日TicWatch Pro 5を愛用しているため、Pro 5側のペアリングを一時解除しないとダメかな?と思ったのですが、こちらの画像の通り、同一端末・同一アプリ上で両方のTicWatchを同時に登録して管理することができました。
これならば、日によって気分でTicWatchを使い分ける、といったことも出来そうです。
また、先ほどエクササイズの終了時にスタッツを視覚的に確認できないのが少し残念、と書きましたが、もちろんアプリ上ではこの通り綺麗に視覚的に確認することができます。
そのほか、睡眠時間や睡眠の分析など、日常的な健康データの取得と分析はすべて自動的にやって分かりやすく表示してくれます。
他社の有名製品に比べると、アプリの表示がややシンプルな印象は受けますが、それでも必要十分な機能は提供されており、逆に言えばあまり使わないような大量の項目を出してくれるものよりも、これくらいシンプルな方が分かりやすい、という印象も受けました。
【使用しての感想・その他】
普段、TicWatch Pro 5を気に入って毎日使用しているため、元々その後継機である本製品には大きな期待を持っていましたが、結論としてはその期待に十分応えてくれる出来でした。
ちなみに、左がTicWatch Pro 5で、右が本製品(TicWatch Atlas)です。
TicWatch Pro 5と比較すると、スペック的には大きく変わらず、写真で見てとっていただけるデザイン部分を除いて、主な相違点を上げるとすれば以下でしょう。
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本製品にはサッカーなどの運動時に自分が最も精力的に動いた箇所が分かる「ヒートマップ」機能が追加された
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本製品には、転倒検出と緊急SOS発信機能が追加された
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TicMotion(AI運動検出アルゴリズム)が本製品の方が強化されている
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ディスプレイはTicWatch Pro 5はゴリラガラスであったが、本製品はサファイアクリスタルになった(サファイアクリスタルはTicWatch Pro 5 Enduroから採用されているようです。)
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本製品ではバッテリー容量が増強され、スマートモードでの動作時間がTicWatch Pro 5に比べておよそ10時間延長された
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搭載されているWear OSのバージョンが上がり4.0になった(TicWatch Pro 5も公式アップデートが提供されており、4.0にバージョンアップ可能)
おそらく「ヒートマップ機能の有無」と「転倒検出&通報機能の有無」が一番の違いだと思うのですが、残念ながら今回は該当機能を検証するような機会がなく断念しました。
正直、それを除いてしまうと、使用感に関しては大きな違いは感じられませんでした。
ただ、大きな変化がないことが「悪い」ということではなく、裏を返せば既にTicWatch Pro 5で概ね機能的には完成されている、ということでしょう。そういうこともあってか、メーカさんもデザインは好みに合わせてTicWatch Pro 5(Enduro含む)か、デザインで選べるようにしてくれているような気がしました。
ビジネスよりで品の良いデザインで選ぶのであれば、TicWatch Pro 5(Enduro含む)、よりカジュアルでアウトドアも含めた環境も意識したデザインで選ぶのであればTicWatch Atlas、といった具合です。価格もセール時を除いてはほぼ横一線ですし、TicWatch Atlasが後継機とは言え、デザインでどちらかを選んでも後悔はされないと思います。
もちろん、ヒートマップ機能が活きるような競技をされている方や、実際に山登りでの転倒などを懸念されている方に関しては本製品(TicWatch Atlas)をチョイスされた方がより安心感や満足度が高いと思います。
また、最近結構周りでは代わり映えのしないiPhoneからAndroidへの移行が進んでいることもあって、そういった方にはApple Watchの代わりにTicWatchシリーズをおススメすることが多いのですが、その理由はバッテリーの持ちの良さ加え、外装がしっかりしていることとその耐久性の高さにあったりします。
せっかくハイエンドなスマートウォッチを買っても、ディスプレイ部分が露出していることで不安になり、ガラスフィルムやケースを付ける(その結果、見た目の美しさが失われる)くらいであれば、初めからしっかりとしたベゼルに覆われていて、ディスプレイもガラスフィルム無しでほぼ傷がつかない本製品の方がデザインも生かされて良いでしょう、というのが主旨です。
Wear OSによる拡張性の高さも一つの要素ではあるのですが、やはりウェアラブルデバイスで一番気になるのは耐久性だと思います。その点では、本製品は他と一線を画す存在と言えるでしょう。
唯一僅かに残念なところを挙げるとすれば、本製品でもおサイフケータイへの対応は見送られたようで、そこさえ満たされれば(その点を重視される方にも勧められるという意味で)完璧なのにな、というところでしょうか。
ただ、おサイフケータイへの対応に関しては、端末メーカさんの責任というよりも、こんなガラパゴスな仕組みを生み出している日本の市場側の問題ですので、メーカさんを責めるのは酷というものです。
筆者はおサイフケータイ機能をスマホの本体側で利用していますが、慣れれば正直不満はないですし、電車に乗っている途中で知らずにスマートウォッチの電池が切れて改札で止められる、ということもなくなり、むしろストレスが低下した感すらあります。
最近Androidに移行した方や、そろそろWear OSというものに興味を持ってきた、という方には特におススメの製品だと思いますので、今年も頑張った自分へのご褒美などで購入されてみてはいかがでしょうか。
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